音楽療法って?

音楽療法とは、

クライアントのニーズ(対人コミュニケーション、生活の質の向上、機能維持など)に応じて

音楽・楽器の特性を意図的に使用し、

クライアントの人生がより豊かになるよう

お手伝いをする療法ことです。

 

 以下、日本音楽療法学会音楽療法の定義

 

 「音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを用いて、

心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、

行動の変容などに向けて、

音楽を意図的、計画的に使用すること」

 

 

音楽療法対象者の領域は、

・児童(自閉症ADHDダウン症、脳性まひなど)

・高齢者(認知症、介護予防など)

・精神(うつ病統合失調症など)

ホスピス、緩和ケア

などがあります。

 

 

 

 

音楽療法の活動内容は、

音楽療法を受けるクライエントの

ニーズ合わせて考えるので

ひとりひとり違います。

 

具体的にどのような活動をするかは

対象者の数だけ方法があります。

 

 

 

 

 

ここでは活動内容の一部を

ご紹介します。

 

 

 

 

 

 

《プログラム》

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プログラム

〇視覚的なものから情報を得る

能力が育ちます

〇絵カードに慣れ親しみながら、

物や行動の言葉を憶えていきます 

〇活動に見通しが持てる事で、安心できる子もいます

 



《カバサ》

 

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〇次は足ー!と足を出してくれたりするやりとりで

コミュニケーションが広がります。

〇触覚に刺激を与えることで、

ここが手、ここが足、と

ボディーイメージが育つのを

助けます。

 



《ベル》

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〇色とりどりのベルを使用することで色の概念への気づきを促します。

〇色楽譜を見ながら手を動かして演奏する事で

目と手を同時に使う練習になります。

〇一緒に演奏する中で

他者とのコミュニケーションが

生まれます

〇演奏ができた時には達成感を得られ、それにより自己肯定感も育まれます。

 

 

 

音楽には起承転結があり、始まりと終わりがあります。

言葉を介さなくても、

ここから始まるな~もう終わるな~

となんとなくわかります。

その音楽の力は言葉を使わずとも

コミュニケーションが取れるなど

大変役に立ちます。

 

また、楽器には老若男女問わず興味を引く力があります。

やってみたい!と意欲的に取り組んだり、演奏するために身体を動かしたくなります。

 

そんな音楽と楽器を力を活かし、

クライエントの人生がより彩り豊かになるようお手伝いできたらと思っています。

 

 

音楽療法の流れ》

①アセスメント

対象者に関する情報を集めます。

音楽療法士がアセスメントセッションをして対象者を知ったり、

音楽療法の依頼主(保護者・家族・対象者本人・施設職員など)から

対象者についてお話を伺ったり、アセスメント用紙に記入していただいたりという方法を用いて、対象者について理解を深めます。

 

②目標設定

アセスメントから得た対象者の情報から、

短期目標・長期目標を設定します。

目標は対象者によって異なりますが、以下のような内容です。

・対人関係の目標(他者とのコミュニケーションetc)

・身体的な目標(手の可動域を広げるetc)

心理的な目標(達成感を得る、自己肯定感を得るetc)

③プログラム(活動内容)の設定

対象者の年齢や好きな音楽などをベースに、

目標を達成できるように活動内容を決定します。

 

音楽療法セッションの実施

考えたプログラムをもとに音楽療法を実施します。

その日の対象者の様子を見ながら、活動内容を変えることもあります。

⑤記録

音楽療法終了後、プログラムを実施した結果の対象者の様子を

記録します。

 

⑥振り返りとカンファレンス

音楽療法の様子をもとに、

目標・プログラムはこのままで良いか否かなどを

音楽療法士と依頼主様(対象者のご家族、施設職員の方など)とで

振り返ります。

必要があるときには目標・活動内容を変更します。

②~⑥を繰り返して、音楽療法を続けます。